社会人に多い腱鞘炎。原因と解決策は?

一度、発症するとクセになったり、再発しやすい腱鞘炎。
身近な病気ですが、意外と知らない事が多いと思います。
無意識や生活習慣の中にある原因や解決策について考察していきます。

「腱鞘炎」ってなに?
関節を動かすのは筋肉ですが、四肢の先端にまで筋肉の力を伝えるのは紐状になった腱の働きによるものです。
この腱の浮き上がりを防ぐ働きをするのが、腱鞘と呼ばれるトンネル状のものです。
腱鞘の中に腱が通っていますが、この腱鞘が狭窄して炎症を引き起こしている状態を腱鞘炎と呼びます。
鞘状の中には液体があり動きを滑らかにしていますが、炎症を起こすと動きの滑らかさも衰えてしまいます。
腱鞘炎は、手首のイメージが強くドケルバン病が有名ですが、手のひらにも、腱鞘があり炎症を起こす症状をバネ指と呼んでいます。
バネ指は親指になることが多いですが、全ての手指に起こります。
症状としては、指の曲げ伸ばしがしにくくなったり、痛みがでます。
急性の場合は、患部に炎症をもったり、腫れることもあります。

なぜ起きるの?
原因は色々と考えられますが、最も多いのは使い過ぎによって、腱と腱鞘の間の機械的な摩擦により炎症が起こるものです。
本来持っている筋力の限度を超えた状態になり、その負荷が長時間・長期間加わる事で炎症が起きます。
例えばパソコン作業や楽器を弾いいたり、編み物などによって指を酷使した結果によります。
また、腱鞘炎は、産前産後や更年期の女性に多い事からも、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少した事による影響も考えられます。
女性は筋力が弱い為、男性よりも発現しやすいので注意が必要です。
勤勉な性格の人は特に注意が必要で、根を詰めて繰り返しの動作で起こる事もあります。
また体質として冷え性など血行不良が起こりやすい場合も発現しやすい傾向にあります。

解決策は?
解決策として治療よりも予防が大事になります。
少しでも痛みを感じたら安静にして出来るだけ炎症が起きた部分を動かさないようにし、接骨院など早めに医療機関にかかる事をおススメします。
痛みが強い場合は、サポーターやテーピングなどで固定すると痛みが和らぎますし、予防にもなります。
急性期では冷やし、慢性期では温めるのが基本ですが、どうしたら分からない場合は、患部を触って熱を持っていたら冷やして、そうでなければ温めると効果的です。
当院では、温熱療法と電気治療(超音波・低周波など)などを合わせて行っています。
また、患部の負担を軽減する腱鞘炎用のサポーターもありますので、仕事をしながら治したい方は治療と並行して装着されると良いでしょう。