「耳ツボ」ってなに?

「ツボ」と言えばよくイメージされるのが足ツボですが、実は足よりもツボの数が多い部分があります。
耳です。非常に小さな部位ですが、耳には非常に多くのつぼが集まっています。
今回は、耳ツボの説明を中心に、鍼灸の話しまで書きたいと思います。

耳にはどれくらいのツボがあるの?
耳は、お母さんのおなかの中にいる胎児に形がそっくりで、そこに身体のすべてが映し出されます。
では一体、いくつのつぼがあるのでしょうか?
足ツボは約70箇所ありますが、耳はなんと110箇所です!
いかにつぼが密集しているかが分かるかと思います。
東洋医学では、科学的な検査ではなく、問診、視診、触診を重視していて、表層や深層にあらわれる身体のサインをみながら、全身にあるツボを刺激して、治療していきます。
顔の表情や、声色、皮膚の色、熱感や冷感、腫れの有無、ブツブツやカサカサがあったり、血管が浮いて出てきていれば、身体のどこかの調子が崩れているサインです。
そこに関連する内臓器官や、自律神経が弱っている証拠となります。
ツボは比較的、密集しているため位置を探す必要はなく、気軽にマッサージできます。
特別な道具は必要なく、自分の手でできるので、皆さんも挑戦してみてください。

とうやってツボを刺激したら良い?
耳は小さいのでツボを刺激しやすいですし、薄いので刺激が伝わりやすいので、初心者の方でも効果を出すことができます。
大きく分けて、マッサージ法として「もむ」「こする」「ひっぱる」があります。
「もむ」は裏側に親指を当てて、人差し指で耳を挟み、全体をまんべんなくマッサージしてください。
「こする」は中指と人差し指で挟み込み、丁寧にゆっくりとマッサージします。
「ひっぱる」は指でそれぞれ、上部を上へ、真ん中を外側へ、下部を下へひっぱりマッサージをします。
コツは、強くやりすぎない事。
心地よい程度に行うのがポイントです。
当院では、1ミリ程度の長さの鍼を使い施術します。

どんな効果があるの?
耳つぼには様々な効果があります。
特に、自律神経を整える事ができるので、ダイエット、食べ過ぎ、頭痛、腰痛、高血圧、肩こり、二日酔いと挙げていくだけで様々な効果が見られます。

中国の逸話を紹介したいと思います。
「昔、ある村に一人の美少女が住んでいました。村でも指折りの刺繍職人だったのですが、疲れが溜まったのか、ある日急に目が見えなくなってしまいました。村の医者では治すことができず、途方に暮れていました。村にきた旅人がその話しをきき、彼女に治療を施しました。耳たぶの真ん中に針を通し、そこに糸を通したままにしたのです。すると少女の目に光が戻り、刺繍ができるほどに回復したのです。」

東洋医学は、西洋医学を否定するものではありません。
東洋と西洋のそれぞれが、補完しあっていけば、よりよくなると考えます。
鍼灸の考え方は、症状がでている箇所だけを治療するのではなく、手足のツボを使い全身を整える事によって、人間が本来持っている免疫力を高めることによって回復を促すのです。
また、「未病を治す」という言葉の通り、予防医学としても注目されています。
※未病とは「健康状態の範囲であるが病気に著しく近い身体又は心の状態」