「変形性膝関節症」って知ってますか?

「変形性膝関節症」と聞いてもピンと来ない方が多いかもしれませんが、お年寄りが「膝が痛い」と言っている話を聞いた事があるのではないでしょうか?
年齢を重ねると罹患率が高くなる病気で、決して他人事ではありません。

変形性膝関節症とは
女性に多く、高齢になればなるほど罹患率が高くなる特徴を持つ変形性膝関節症の主な症状は、膝の内側の痛みと、膝に水が溜まる事が挙げられます。
初期には、動き始めや立ち上がる際に痛みが走る程度ですが、症状が進行すると正座や階段の上り下りが困難になり、進行すると歩くのも困難になります。
安静にしたり休息すると痛みが取れますが、末期にまで進行すると安静にしても痛みが取れず膝自体も目でみて判るほどО脚に変形して、膝や足を真っ直ぐ伸ばせなくなります。原因の殆どが関節軟骨の老化や摩耗によるものですが、中には骨折や半月版損傷等の外傷によるもの・肥満や遺伝子・関節炎の後遺症などがあります。
命に直接関わる病気ではないので積極的に治療しない人もいますが、外出や家事などが億劫になり「生活の質」が著しく低下してしまうので、早期の治療をおすすめします。
分かりやすく説明するために、症状別に示したいと思います。下になるほど、重症になります。
①膝の腫れはあまり無いが、動き始めに痛みがある
②膝の関節が腫れてきた。膝のお皿を押すと、水の様なものが貯まってる(水腫)
③膝が「О脚」になってきた。歩行時は常に痛い。

変形性膝関節症を予防するためには?
一度摩耗してしまった関節軟骨は、ほとんど修復したいと言われていますので、進行させないために予防や治療が重要です。
原因が様々ですので、原因となる因子を少しでも減らす事が大切ですが、主な原因である加齢は避けられませんので、いかに生活の中で負担を減らすかが大切。
御存じの通り膝関節は、体重の負荷が大きくかかるので、肥満の方は時間がかかっても良いので、ダイエットに挑戦される事をおすすめします。
また、膝に多大な負担がかかるスポーツ(急に止まったり動いたりする運動)も注意が必要。
膝を支える筋肉が衰えると変形性膝関節症になりやすいので、膝を安定させる筋肉である「大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)」を強化する運動を行います。生活習慣では洋式トイレを使ったり、正座しなければならない時は座椅子を使ったり、ハイヒールを避けるなどして、出来るだけ膝の負担にならないのがコツです。
また冷え性の方であれば、冷やさないように心掛け、血行を促進するように軽いマッサージをするのも効果的です。

変形性膝関節症を予防するための体操
ストレッチで筋肉を伸ばす運動があり、仰向けに寝て片方の膝の裏を両手で支え抱えて、軽く痛みを感じるまで胸の辺りまで引き寄せます。その運動を10回程度繰り返し、逆の足も同じように行います。
変形性膝関節症の予防にもなる体操は、足を上げる方法で、椅子に腰掛けて片側の足を少し曲げてしっかり床に足裏がつくようにしてから逆の足を伸ばして足首は曲げて床から10センチ程度上で止め10秒ほど停止します。その後ゆっくりと上げていた足を下ろし10回程度繰り返し逆側の足も同じように繰り返します。激しい運動ではないので、寝る前や起床前などに習慣にすると、筋力も徐々につき、効果も早期に現れると思います。 持続することが、何より重要です。
無理の無いように体操する事がコツですが、膝が腫れてしまったり、熱をもったりした時は、すぐにでも接骨院などの医療機関に受診された方が良いと思います。